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白壁の赤と復讐の黒
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作詞 斗望 |
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貴方の足元には 真紅の花弁の綺麗な絨毯
ああ でもよく見たらそれは血の海じゃない
手に握った古びた剣に 滴る赤い温度
真っ白な壁を彩る 貴方の世界に
声無き叫びが 響き続けていた
ゆっくりと歩き出す貴方は 嫁いだ私の妹の顔を潰す
すれ違い座間に呟いた言葉 「私が一番欲しいのは貴女だ」と
金糸のみつあみの尾をひいて通り過ぎる
心臓に氷の刃が刺さるような そんな情景
剣が血と石を掠める音を最後に
貴方はどこか遠くへと行ってしまった
幼い頃のあの人の面影は赤く染まり
笑顔も泣き顔もすべて忘れてしまったわ
ああ 過ちを犯してしまった
大切な妹を差し出して
私は逃げてしまった あの人の元から―・・・
宵の頃私の元へ再び訪れた貴方
背には剣を提げながら向かい歩く
抱きしめた貴方はどこか寂しげに呟いた
それでも聞こえない聞きたくない と拒んだ
強く抱きしめ続ける貴方に 痛いほどの口付けをした
そして貴方の背から抜き取った 白銀の剣を
貴方の背に突き刺すの そして私の子も共に
最後に何かを呟いて 私の腕に崩れた貴方
それでも聞こえない聞きたくない
そう拒んだ私の目の前に 死んだはずの妹が立っていた
瞑れた瞳の奥に真っ暗な悪意の宝石を秘め
その手に握られた銃口が行き場を無くし 降ろされていく
意識は何故とどまっているの
世界に感じる自分と彼の血に溺れる
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