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人形の後悔
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作詞 斗望 |
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【起動】
―前に倒れた。
私を隠してくれる雨は好きで
永久に止まない雨を見てみたい
「うつ伏せの私 空は見えない。」
指先を踏む足の流れは止まないのに
ふと止まった足が駆け寄ってきた
心配そうなその男の顔に微笑んだ
笑顔は得意なの 人を癒すために作られた
私は人形。
その男は私を愛してくれた
愛でいっぱい 満たしてくれた
人形の私を 思考を持つ人形を
あの人が涙を流して帰ってきた
私はただ元気を出してほしい一心で
ずっと 笑い続けた
ずっと ずっと。
「人形ごときの表面だけの優しさなんていらない。」
そういって私の首を絞めたその男は
血走った目で 涙を流し 私を
殺そうと
それでも私は人形だから
「磔の笑顔は得意です。」
そう微笑んだ時 私の思考は止まった
【再起動】
気づけば朱に染まり 足を引き摺り
それでも笑顔は耐えず
雨が機械の私の身体を癒すもの
流れていく赤はずっと続くの
癒すために生まれた私は死を与える人形
後ろに倒れた。
「それでも、空は見えない。」
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