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蝶掬び
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作詞 斗望 |
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指先に留まる赤い蝶
炎のような輝きを背に
ゆっくりと 羽ばたく
偲と死と静かに降り注ぐ幸せさえ
僕等の手の上に落ちる前に
滲んで無くなるのだろう
その小さな手で 触れた顔は爛れて
微かな吐息の温度 残して消えた
ああ 白い鋼い銀い光い
眩い世界が
僕を 私を 隠して堕とす
孤独に震えた瞳は何をみる
触れた悪意は何を映す
消えた幸せはどこへ向かう
残された僕はどこへ向かう
ああ 黒い鉛い暗い闇い
私だけの世界
君が 私の 手を掴んだ
紫と死と静かに降り注ぐ心の残骸は
僕等の肩に頭に降り積もり
やがては僕等を埋めて隠す
あの時 手と手を合わせて目を閉じて
君は 何を願ったのか
「ずっと一緒にいられますように」
涙に濡れた冷たい手に握られていた
赤い蝶のお守り
綴られていた愛 誰へのもの
白い世界の中僕等は寄り添って眠る
鼓動の音は聞こえない
それでもなお語りかける優しい歌声は
珠雪に呑まれて沈んだ
消えゆく 存在が今
私の胸に突き刺さる
空は高く遠く 帰れない 戻れない
小さな小さな掌の中で
はためくのは赤い透き通る蝶
雪に飾られながら 這いでて 飛び立つ
強く 願う 笑顔で
どうか 強く 生きてね と
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