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拾い猫
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作詞 斗望 |
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昨日いた猫が
また今日も
後ろにはタオルと段ボール
帰り道裏通りで座ってる
撫ようとしても
そっぽを向くくせに
動こうとはしないんだね
傷ついた足を引き摺り僕の後を歩く
鳴きもせずに音も立てずに静かに
そうして家の前まで
やってきた君
中には入ろうとしないのか
冷たくなった身体を摺り寄せてきた
僕が帰るときは
ひとりで出かけてお出迎え
真直ぐな丸い目はただ僕を見てる
ある日いつもどおりに
来てくれると思って
僕はゆっくり歩いた
今日はご機嫌ななめかな来ないみたい
そうして僕は君とであった
あの裏通りに辿り着く
いつもふたりで歩く暖かい道なのに
そこはとても冷たい風が流れた
僕は走る道を
真直ぐに君と歩いた道を
風が僕の肌を霞める
息が苦しい
そうして見つけた君は
僕が巻いてやった包帯に
滲む赤と同じ色に沈んでた
もう似度と光りを感じない
瞳が僕を映す
倒れふすその猫を
抱き上げたまままたあの道を
ゆっくり 歩く
降り出す雨が僕等を隠してくれる
泥だらけになりながらも
小さい穴に君を埋める
君が僕の家の猫にならなくてよかった
僕はもっと長い君との時間を思い
悲しい思いをする筈だろう
流れる涙は雨に解けて消えた
それに気づかないまま笑ってみた
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