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壱日祀 笛の残響
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作詞 斗望 |
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生まれて来る意味が在るならば
死に還る意味もあるだろう
そんな他愛事を繰り返し口ずさむ自己暗示
鏡を見ては 沸々と滲む
君は誰? 僕!僕だよ!
尋ねれば 「僕は笑顔で答えた」
カランコロン 鳴り響く
死んだ者は甦りはしない
では死んだとは確定されないもの
無くなった者は 息もせず視にもせず
隠せず流れた感情は怯えと愁いを含む
カラカラ クルクル 廻る
廻る 何処?どこ?
右手に風車を 左手に鬼の面を持った少女が走る
川沿いを下駄の音で賑わせながら
風を通り抜け 絶望を振りまき 笛の音の余韻が響く夜
鏡と今立つ境界線は僕の掌
あわせれば僕 君 僕 見えるよ 笑った!
クルクル カラ カ ラ 止まった
止まった 何故?...落ちた!
壊れた鏡の世界 抜け出せぬ呪縛
どれだけ叩いても冷たい壁は向こうを映すのみ
僕が見える!手を伸ばす
あそこに 「横たわる僕が」
カランコロン
ドダッ
グルグル ガラガラ 響く
少女 鳴声 どこ?
壊れた風車を抱え 飛び出した先は鏡の部屋
取残されたもうひとりの変わりの「僕」
遊ぶため!僕は遊ぶために君という僕を借りた!
「殺すためではない 出てきて」
僕が変わりになるよ!
割れた鏡の中に移るのは
右手に風車を 左手に鬼の面を持った少女
「「僕」のことは忘れない この日のことも忘れない」
約束の小指の温かさと笛の残響だけ僕に残して消えた
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