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maria
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作詞 斗望 |
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罪人達の狂唱(うた)は響く
いつになく寂しげな音色
嘲笑うかまた引きずり回すか
答えは誰の手中に在るか
鎖で繋がれた番犬(いぬ)の檻の
向かい側で息絶えるマリア
惨事狂事と騒ぎ立てては
永久の眠りに手を差し伸べる
「正答をお訊かせください」
永遠の闇から身を引き摺り
這い出す我等が愛しきマリア
人々の懺悔を捻じ伏せ殺し
紅に塗れた口唇が告げる
「稚き姿とは相違
暗い影持つ瞳は海
偽善偽悪と共に嘆き
白と黒との境界解く」
我等が愛しき世のマリアは
虚ろに放つ燐光の瞳
罪人達に罰と祝福を
分け与えて眠りに戻った
仮初めの魔女の為の御伽は
鳴り止まぬ鐘の音に消され
やがてまた廻り来れぬ時を
鳥のさえずりにのせて聴こう
我の愛した罪のマリアは
先から生まれもせずに死んだ
我の愛した罰のマリアは
先から死ぬこともなく生きる
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