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ストック
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作詞 Sanosuke |
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カーテンの間から差し込む光
部屋中鳴り響く機械の音
毎朝僕を叩き起こしてたのは
正確に時を刻む鉄の塊
目は覚めるけど 心は眠ったまま
まるで電池の切れた時計のように
今はこうでも心が正確に時を刻んでた頃もあったんだ
その時毎朝起こしてくれたのは鉄じゃなくて人の声
優しく起こしてくれる君の声も段々と大きくなって行き
夢の中から現実と言う名の夢に引きずり出されていた僕
気付けば布団が消えてて朝の寒さで目が覚めて
一番最初に目に入ってたのが君の顔だった
吹く風が冷たく肌を刺す学校への通い慣れた道
僕が眠くならないように君はずっと話しかけてくれてたね
学校までの20分間君は僕の悪い部分を全部口に出し切っていた
でも最後に「嫁に誰も来なくても私が一緒にいてあげる」
とからかうように言っていたね
あの時は君の本気に気付かなかったよ
正確に時を刻むはずの僕の心が狂い始めたのはいつだったかな?
速くなったり遅くなったりとまるで壊れた時計のようだった
あの頃は僕はただの子供でそんなもどかしい気持ちに腹立った
あの頃の僕に教えてあげたかった恋する気持ちと言うものを
「ずっと友達だ」あの時の言葉がどれだけ君を傷つけたか
今になってわかったんだ・・・
今さら「ごめんね」なんて遅いけれど
あの時はごめんね 本当にごめんね
こんな言葉しか思いつかなくてごめんね
少し大人になった僕が自分の気持ちに気付いた時
君の心のゼンマイは僕の手の中にはなかった
あの時君は必死で謝ってくれたけど 本当は
僕が謝るべきだったのに・・・
あの時人生で初めて心の痛みで涙を流した
でも今思えば、君を傷つけたのはまず僕だった
そして僕が傷つく番だっただけなんだ・・・
あの時に僕の心の針は時を刻まなくなった
朝起こしてくれるのは君の声から時計に変わった
部屋中鳴り響く機械音は耳に響くけれど
心までは決して届かないんだ
学校への20分がとても長くなり無音になった
通い慣れた道に同じ風景も君がいないとまるで違う
たまに校門で見かける君は僕ではない別の人といる
目が合った時の作り笑顔はお互い精一杯なのかもね
あの時君が僕に言った「さようなら」
その言葉によって 今の僕がいる
君の「さようなら」が僕に教えてくれた
恋のすばらしさと人を愛する喜び
今の僕には好きな人ができたんだ
失くしたはずの心のゼンマイ
拾ってくれた人がいるんだ
その人も僕を好きでいてくれる
その人が好きな僕は君が作ってくれたのは
他の誰でもない君なんだよ
今さら「ごめんね」なんて遅いけれど
君の耳にはもう届かないかもしれないけど
今なら胸張って「ありがとう」って言えるんだ
朝鳴るのは相変わらず機械音だけど
それは横の時計からじゃなかった
朝目を覚ましてくれるのは・・・
電話の向こうの優しい声
こんな日々があるのは今の僕のおかげ
今の僕がいるのは君のおかげ
君に最後に一言伝えられるなら
やっぱそれは「ありがとう」
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