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シンビジューム
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作詞 Sanosuke |
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学校からの帰り道 ふと空を見上げたよ
どこからか 響きわたる メロディー
これは 君の大好きな歌
MDで聴きながら いつも口ずさんで
僕に気付かずに 僕の前を通り過ぎてったね
君の誕生日と知って 君のMDをこっそり聴いたよ
君がいつも聴いてる歌を確かめるために
君の大好きな歌を求めて 行ったCDショップ
タイトルも知らずに サビを頼りに探したけれど
君の大好きな歌は見つからなかった
後で知ったけど それは見つかるはずもない
それは君の好きだった人のオリジナルソング
今でも 忘れられずに いつも聴いてたんだね
その歌を口ずさんでいた君はいつも切なそうだった
僕は何も知らずに君にあの歌について質問してたね
あの歌の事を持ち出す度の僕は君を傷つけてたんだね
大空を見上げ 僕は自分の罪を悔やんだ
君の好きな人は今どこで何をしているんだろう・・・
君にこんな辛い想いをさせて何をしているんだろう・・・
君にあの歌が残っているから 君は忘れられないんだろう
部屋の隅にほこりをかぶっていたギターを手に取り
久しぶりに弾いて見た その音は一つ一つ 繋がって
やがて音色となった、 これが僕の歌なんだ
大空を見上げて 僕からの歌を歌ったよ
ラブソングなんて大したもんじゃないけど
君の好きな 歌には 程遠いけど
これが 君に贈る音色と言う名のプレゼント
君を想って書いた、君の涙を包んであげられる歌
これが僕のできる精一杯なんだよ
MDに録音して いざ君の元へ
余計な事をしないで と
怒って 君は受け取ってくれなかったね
余計なお世話とは 分かっているけれど
ギターを片手に君の家の前で歌ったよ
僕の手作りの下手クソな歌
でも この正直な想い、君に届いて欲しいな
夕方になっても 君の部屋のカーテンは閉まったまま
やがて夕立が来て僕の声が かき消される
君には やっぱり届かなかったのかな・・・
その時 傘を持った君が出てきた
手に持っていたのはいつも聴いていたMD
それを空高く 投げ捨て 僕を見る
そして 僕の方に手を差し出した
僕はその手に僕のMDを置いて 走って帰ったよ
あれから数日後・・・
学校の帰り道 ふと空を見上げるよ
どこからか響きわたる聴き覚えのあるメロディー
珍しく僕の背中をポンと叩いてきた 君
「一緒に帰ろう」の一言と供に 久々の君の笑顔
MDを聴きながら いつもの口ずさむ君の癖
でも 今日の歌はいつもと違っていた
それは 僕の君へのヘタクソな歌だった・・・
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