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人形と父
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作詞 誓羅 |
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白い地平線が雪でかすむ
向こうから踊り来るカラクリ達
歪んだ体が足跡を作る
吹雪にさらしたブリキの肌が凍る
一心にガラスの瞳に父を求めて
黒い地平線が涙でかすむ
戻れない故郷を捨てる住民達
くたびれた体が足跡を作る
乾いた風に吹かれて彼は泣いた
使いに行った子供たちを想って
誰もいない地平線
ポツンと立ちすくむ一体の人形
来た道を示す カラクリ達の道しるべ
壊れた体が崩れ落ちた
赤い空に浮かぶ黒い雲
父を失い人形は止まった
『待っているから 行ってらっしゃい』
表情を変えられぬ人形は
最期まで微笑んだままだった
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