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白いうた。
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作詞 鮫子 |
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君は知らないだろう そんな無垢な顔するなよ
俺はこの場所から始まった そう 忘れられないあの日
足早に大人を着飾る勘違い共の中
俺は群れを煙たがるようにわざとのろのろ歩く
やっと視界が開けたと思ったら
君ものろのろ歩いてた
「早く行っちまえ」
そう毒づくが歩行速度は恐ろしい程変わらず
何故か横の距離だけ半端なく広い
いつの間にか上機嫌に口笛を吹き始める君と
いつの間にかそれに聞き入ってる俺がいた
また「目つき悪いね」とか言う 生まれつきだから仕方ない
本当は違う
他人を寄せ付けたくないだけだけど
なぜかそう言えなかった
友達と呼ぶには想い人で 想い人と呼ぶには友達で
どっちにも傾けない天秤はふらふらふらふら
君の一挙一動で大きく揺れる
拒み続けた
どうしようもなく眩しかった 眩しすぎた
「愛」なんて言葉重すぎた
君という翼に 俺という空は狭いだけ
優しくされればされるほど 天気はころころ変わってく
遠い日に無くしてしまった感情と無理矢理塞いだ傷が疼いた
初めて君に送ったメールは「明日あの場所に来い」。
狭苦しいケースの中でも飛んでくれるなら
あの言葉を…
午後の街角 車にはねられた君は死んだ
吹き荒れる桜吹雪は 今日も俺の頬を掠め
ひらりひらり 翻る度に君の笑顔 映し続ける
優しく通り過ぎる感覚があの日々を思い出させ
苦しくてこの場所から逃げた
それでも追いかけてくる想いを罵って
また傷口が開くのが怖くて
君と君の全て
白く塗りつぶしたんだ
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