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彼岸の海
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作詞 鮫子 |
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幾年 幾年 死児の齢数え乍ら
未だ此処にて影送り
曇天に影が映るものか
枯渇とした記憶製造機 カラカラと空を切る
その硝子玉には赤い赤い彼岸の海
さあ 泳いでいけよ
黎明までにお帰り
大樹の祠より囁き声
狐「や、今宵がお七夜よ」
子「言伝に行くのです」
狐「まあ、そのをかしげなる御呼びにあやとりでもしよう…」
夜すがら、と笑んだ
一陣の風
未だ此処にて影送り
母「あの子に届きますように…」
帰依に身を削ぐ女は頭を上げる
あ?今、いたくか細き声が
折から海の彼方、摩天楼より響く
紅涙に浮ぶのは ああ、吾子の…
彼岸の海に 足 奪われつつ泳ぐ
華燭に焼ける身 息も絶え絶えに
上がった岸に稚き吾子の両足
手を伸ばす
見上げたその先に 驚嘆の鐘
狐「ただいま」
朱に染む眼球がぐるり
あ、あ、あの狐めが神憑りして!
今際、眼前にもとな懸かる回想
この子は私と風車
悲願の海は揺り籠
くるくるくるくるくるくるくるくる・・・・・・・・
おやすみなさい
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