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赤いうた。
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作詞 鮫子 |
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なあ 今 此処に立ってやっと気が付いた。
「上手く言葉に出来ない自分ですが、それなりに努力したつもりではありました。」
そうやって予防線引いて
気持ちを避けて
周りの顔もろくに見れず、見ようとせず、
ふと顔を上げると一人。
笑顔の数を数えても、指は一本も折れなかった。
いつだって負の感情に飲まれてしまう。
呼吸してるだけなのに苛立ちはとめどない。
誰か、教えて欲しい。
決まって周りから消えていく。
呟く声は人混みに飲まれて掻き消える。
赤く狭い空見上げて立ち止まる。振り返る。
地上に底の無い穴を開け、何処までもついてくる自分を引きずり歩いてく。
ひとり。
幸せを歌いながら。
決まって周りから消えていく?
傷つくのが嫌だから俺から遠ざかったんです。
眼を塞いで走ったから道に迷ったんです。
そう、此処は記憶にない場所で、寂しくて。
手の平に残ったのはさびた思い出くらいしかなくて…
「じゃあこれを頼りに帰ろうか。」
汚れた服の子供は赤い目で言う。
「さようなら。
行き先は思い出の場所で。
さようなら。
もっと話がしたかったんだ。
さようなら。
叶うなら、もう一度この場所で…」
この痛みも赤い血も、生まれてきた事の証でした。
今度は君の隣で歩きたい。
この空と、あの場所と、胸の軋む音に合わせ
赤いうた 口ずさみながら。
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