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紅色
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作詞 УOССO |
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白粉のような紙に
さて 何を残しましょう
言を失くしたので
名前でも書きましょうか
貴方があたしを確かに呼べるように
筆を持った右手は
そう 灯りに照らされて
今にも蕩けそうな
甘い蜜色をしていました
欲しいものは酔わせられないけれど
綺麗なのは器だけ
浮世に晒されたこの心は
薄汚れて
ひび割れているのです
だからどうぞ
あたしの心を見たいなどと
仰らないでください
墨が切れたのです
はぁ 手紙が書けません
あるものと言えば
残り僅かな紅くらいです
貴方の為に残していたいのだけれど
女は弱いものです
一度でも心を奪われれば
たちまち
自分を失うのですから
ならばいっそ
初めから痛みや悲しみなど
忘れればいいのに…
白粉のような紙に
ぽたりと落ちた赤は
紅でしょうか
それとも
心から垂れた血でしょうか
綺麗なのは器だけ
浮世に晒されたこの心は
薄汚れて
ひび割れているのです
だからどうぞ
あたしの心を見たいなどと
仰らないでください
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