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黒
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作詞 白銀 夢月 |
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この世界が闇に落ちたとき、
この世界が満月の月光に照らされたとき、
あのバス停の前に一人でたたずんだとき、
俯いてみて寂しそうなふりをしたとき、
彼は私の影から顔を出す。
輝く黒い髪を風になびかせながら彼は顔を出す。
黒曜石のような輝きの黒翼を大きく広げて、
その姿を私の横に現す。
私が顔を上げると、彼はこちらを向く。
優しい笑顔を向けて、少し顔を傾けて言う。
“おはよう”
真っ黒な姿とは裏腹に、
彼は純粋な
なんの曇りもない笑顔を向けた。
この私に。
本当はずるいんだ、私。
純粋な天使のふりした真っ黒な悪魔なんだよ。
君は知ってるのかな。
私が黒に染まってること。
君のその姿が
ひどく私の心の色に似て見えたから、
私は君に傍にいて欲しいんだ。
ごめんね、そんな風に思ってること、言えないでいて。
“ごめん”
小さく声に出すと
君は私の頭に優しく手を置いた。
きっとふりじゃなくて、
そのときの私は寂しい顔をしていたんだね。
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