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優しい死に神
作詞 流月
彼の足音が聞こえる
リズムを崩すことなく確実に近付いて来る

私の死の足音が聞こえる
逃れ得ることの出来ない確信めいた予感

彼は私の脚を奪う
私の未来の路を歩くべきこの脚を

彼は薄く嗤う
私の拙い希望を容易く打ち砕くべく

私は彼に叫び掛ける
慈悲を、と

私は彼に嘆願する
生を、と

形無き死の形
姿無き死の姿
影無き死の影

それらが死という眩惑の薫りを漂わせ
私の心を狂気させる

祓うことも出来ぬ粘着きを持って
死に態の私を捕え浸ける

彼が鎌を掲げる
私に死と云う最悪の逃げ場を与えんと

彼が最後の言を告げる
大丈夫、と

それは最期を意味する言葉
最期の安楽を促す言葉

彼は鎌を振り下ろす
私は恐怖する
刹那後に訪れるであろう絶対的な死に

その鎌は私を貫かなかった
彼は途惑う
何故恐怖するのか、と

彼の足音が聞こえる
不安定なリズムを奏でながら遠ざかる

彼の死の足音が聞こえる
しかしそれを間誤付かせながら

彼は私に告げる
百年後にまた来よう、と
必ず覚悟を決めていろ、と

そして私は今を生きる
確実に訪れる死に恐怖を抱きながら
同時に彼が来るのを待ちながら

私は今を生き続ける

本作品の著作権は作詞者に帰属します。
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歌詞タイトル 優しい死に神
公開日 2007/08/12
ジャンル その他
カテゴリ その他
コメント とある日の夢の話です。
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