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ビブラート-記憶-
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作詞 蒼龍 |
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午前四時 静かな着信音が響く
きっと闇空が 君を呼んでいるのだろう
交差点に轟く 真夜中のサイレン
二つの音を奏でる 二人だけの旋律
初めて出逢った頃のように
優しく 冷たい頬を撫でる
旅立つ空は まだ幼すぎるから
無色の涙が 小さな空間に零れるよ
もう届かない 恋園の歌声で
記憶の片隅から 何の音色を奏でればいい?
嬉しそうに 眠る瞳の奥底
夜風に誘う 天使のソプラノよ
僕のビブラートは 震えているかい?
午前六時 小鳥の囀りが響く
きっと天空が 君を呼んでいるのだろう
渇いた唇に 思い出という名のキスで
忘れかけてた 潤いを思い覚まして
この世の法則は 残酷すぎるね
ミサの祈りすら 悲鳴でしかない
ユートピアの ピアノが美しすぎるから
愛を奏でる五線譜も 音を見失ったみたいだよ
枯れ果てた 僕の歌声で
君という残像から どの音譜を刻めばいい?
離したくないほど 小さすぎる身体で
いま大空へ 羽ばたこうとしている
君のビブラートは 震えているかい?
愛の記憶は いつか花となり
またその花は いつか土へと還る
ただ繰り返す 思い出の連鎖反応は
夜を彷徨う旅人に 涙を届けてくれる
二人寄り添って 最後まで君が笑う空の下
ただこの瞬間を 焼き付けていたい
胸の奥がまだ 君のメロディーを覚えているから
午前七時 二人の着信音が響く
きっと天国の君が サヨナラを告げているのだろう
…それでも この世で確かに聞こえた
二人のビブラートは まだ震えているかい?
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