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哀惜紅燈華
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作詞 楪きら |
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柔らかな肌から
そっと蒼に染まる時
貴方は何を思うの
霧雨の吟唱の真中
横たわる愛しい人を
濡らした頬で慈しむ
ねぇどうして涙が
はらはらと流れて
まるでそれは貴方の生が
過去かのように哀れむように
ねぇどうしてそれでも
貴方は微笑むのですか
愛していたと
云わなければならない
瞬間を恐れて
真白の光が闇の全てを
飲み干すよりも難しい
この世の全てを照らすこと
それでも貴方は教えてくれた
死してなお守るべき
この世で何より尊いもの
貴方と過ごした日々
ゆらゆらと風を受け
まるでそれは貴方の死を
見送るように留めるように
死の為の生を
遂げた後の安らぎ
それは弱さを
知らねば謳えぬ
真実の強さ
ねぇどうして涙が
はらはらと零れて
まるでそれは貴方の生が
過去かのように愛しむように
貴方は隣に居た
それは変わらずに
胸に秘めて振り返らない
永遠のようなこの一瞬と
果てた時間とを
褪せぬよう抱きしめて
目醒め始めた
ひとひらの蝶に
止まった世界が
答えた
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