|
|
|
かげろひ
|
作詞 流田珠衣 |
|
眠りはすぐそばに
ようやくその腕へと
水面に揺らめくのは
二度目の
連ねても 歌ひとつ 重なり合えずに
むつまじく紡ぐほど ほころびていくの
聞き分けぬ手が頬をなぞれば
袖にしぐるのも涙
はらりはらり
跡に形なくとも
十重に二十重に幸せでした
鏡は束の間に
どうして 後ろ姿
すべてを見届けたの
どうして なのにどうして
同じ道 歩けずに つないだ吐息は
たくされた残り火を持て余しながら
聞き分けぬ手が頬をなぞれば
袖にしぐるのも涙
はらりはらり
跡に形なくとも
十重に二十重に幸せでした
終の宴に 熱は脆くも
今日の灰と散りました
はらりはらり
互いを想えばこそ
いまだ挙句も かげろふのでしょう
髪すく指は風のいたずら
空蝉が声 そよぐ淡海
いつの夢路も その腕の中
十重に二十重に幸せでした
|
|
|