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影踏み
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作詞 百日紅 |
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暗闇にオレンジで照らし出される影
いつからか出来た不思議な距離に振り回されて
何故か届かなくなった指先
街ですれ違ってもお互い別のテリトリーの中
呼べない名前は呼ばないと決めたのに
何故に今になってその響きがこんなにも愛しい
手を伸ばして捕まえて
引き寄せたって何も言えない
伝えたい五文字は二度と君に伝えられない
右から香った甘い香りに
距離を縮めるように繋いで引き寄せた肩
逸らされた顔さえ愛しかった
すれ違う甘い香りに誘われるように
振り向いた先に新しい影
伸び行く二つの影に過去の自分の居場所があった
手を伸ばして捕まえて
引き寄せたって何も言えない
繋いだ細い指の感触がどうしても身体から消えない
甘い夢に振り回される
影だけでも壊れろと二つの影に割り込んで
零れ落ちたのは
涙
伸ばした手を振り上げて
小さく振って離れ行く影にさようなら
二度と戻れない過去を抱きかかえて
靴先の方向を未来へ
進め
オレンジが作る影の中
走れ
過去を振り切って
君のいないこれからの世界へ
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