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夜景
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作詞 智志 |
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短く洩らす君のため息は ざらざらした舌を撫でて
うまく抱きしめられないんだ
夜の街まで連れてって ゆっくり話はしようとしたのに
鋭いナイフが何度も僕を刺した
今日まできつく巻いてきた光の帯は
君の指に絡めとられて
僕の喉も切り取っていくんだ
何度も優しく声をかけたんだけど
君の涙は雨のせいにして拭わなかった
向き合ってよれた笑顔にコーヒーをかけられた
白い煙でうまく隠れて金属の輪を見つめた
二人が暮らした泥の街は仄暗い夜明けが来て
崩れた景色に星屑が落ちるだけ
もう少し、汚れた肌を繋いでおけたら
君の涙も何気なく受けとめられたかもしれない
夜景に気をとられて
いつまでも睨む君を忘れてしまった
車は前と後ろを繰り返して動かない
僕らの鎖を縮めようとしたけど
君の涙はきれいに真ん中を溶かしてしまった
もう少し、明日なんて考えていられたら
君の姿も夜景の向こうに滲まなかったかもしれない
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