|
|
|
アレクセイは歌ってた
|
作詞 M×G |
|
ある日そいつは歌ってた
時計塔広場の一画で
誰も目もくれちゃいなかった
四月はすこし穏やかすぎた
懲りずにそいつは歌ってた
いつもと変わらぬ一画で
少しの人も足を止めなかった
五月はみんな無気力すぎた
まだまだそいつは歌ってた
不思議と濡れていない一画で
変わったのは曲のレパートリー
六月は天気が不安すぎた
ある日そいつは歌ってた
いつも通りの一画で
暑いからか家は窓を開けていた
七月は風も音も流れすぎた
街が暮れるにつれ
人の足も速くなった
それでもあいつは歌ってた
時を止めるように歌ってた
依然とそいつは歌ってた
日陰になってる一画で
みんな暗がりに止まってた
八月の広場はすこし暑すぎた
やっぱりそいつは歌ってた
すこし寂しくなった一画で
こんなの気にしてるの僕だけかな
九月はなんか切なすぎた
それでもそいつは歌ってた
葉の落ち始めた一画で
焚き火をしてる人がいた
十月は少し煙たすぎた
時が経つにつれ
街は変わっていったんだよ
あいつはわかっちゃいなかった
僕以外誰も見ちゃいないのに
ある日そいつは歌ってた
葉も落ちきった一画で
花屋のオヤジも呆れてるよ
十一月は風が冷たすぎた
飽きずにそいつは歌ってた
霜の降りている一画で
服屋が毛布をくれたのが唯一の救い
十二月はみんな忙しすぎた
相変わらずそいつは歌ってた
いつも以上に人の多い一画で
喫茶店のカップが傍らに置いてあった
一月はみんな気を抜きすぎた
季節がかわるにつれ
広場は色を変えていった
あいつのギターは変わらなかった
その歌声も変わらなかった
僕はなぜか飛びたたなかった
僕の嘴は歌ってた
ある日あいつは歌ってた
少し温んだ一画で
祭りもないのに人が多いな
二月はみんな優しすぎた
月日が経つにつれ
いくらかうまくなったかな
やっぱりあいつは歌ってた
時を忘れるように歌ってた
月日が経つにつれ
あいつの周りの景色も変わった
それでもあいつは歌ってた
すべてに届けるように歌ってた
今でもそいつは歌ってた
ほぼ指定席の一画で
いつしかこんな集まったのか
三月は少し幸せすぎた
広場は少しゆっくりになった
時計塔広場は歌ってた
|
|
|