|
|
|
雨の林
|
作詞 木賊ゾク |
|
幽霊はいるのかという問いに
NOと答えたら
人の心という
見えないものも
否定してしまうようで
(雨、雪はどこに行ってしまったのか)
あなたが生きていた頃の
春めいた空の感じは
私に幽霊を思い出させる
(あなたを否定するのは世論でなく心の方か)
特に理由がなく
買ってしまった
カラーボックスの
裏に
埃を浴びて
隠れていた写真は
(得失なく世界に線を引く)
生きるものとそうでないものを
物質の上に刻み
青い酸素を吸い始める
(それは生と死の二分線)
見えないという
雨の林は
自分の眼鏡が
曇ってしまったもの
(世論はやがて心に住む)
それは春めいて
青い酸素が
土に命を宿らせる
(雨、雪はどこに行ってしまったのか)
多々良川の
瀬の音が
どこからか
知らぬ風を呼び寄せる
|
|
|