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橙の手紙
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作詞 愛・K・丁 |
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今年になって三回目の手紙です
近頃は忙しくて返事が書けません
ところで今は何がしたいですか?
聞いたところで何も出来ないけど
ただ今夕日が沈んでいく気配です
そっちはきっとまだ、たぶん沈んでないでしょう
ところで今は何をしていますか?
聞いたところで何も分からないけど
「ありがとう」とか、褒めてほしくて
たくさん君に尽くしてきたけど
いつもあなたはそんな僕に
ただあやまるだけで、あやまるだけで
幾つになっても僕は子どもで
君は雲のように形を変えて
今度会った時にはまるで
君が僕から離れたようで
僕は切なく思ったりするんだ
今年になって7度目の手紙です
近頃は周囲に慣れて日々が楽しい
ところで僕をたまに思い出しますか?
聞いたところで不安になるけど
ただ今夕日が沈んでいく気配です
もうすぐ家の中に明かりをともします
ところで今は誰といますか?
聞いたところで分からないけど
「変わってく」とか君が言うから
毎晩君を思ってきたけど
そんなあなたが変わりそうで
ただ悲しいだけで、悲しいだけで
寂しくなんか無いはずなのに
夕日を見ると涙が頬をつたい
大人になった君の背中を
愛しんで見ているだけさ
僕は合わす顔が無いんだ
たぶんこれが最後の手紙です
近頃は夜が短く昼が長いです
ところで君が変わったのですか?
聞いたところで答えは出ないけど
ただ今夕日が沈んでいく気配です
もうすぐ短い夜の到来です
けれども今日はもっと短いのです
最後の君を見届けるため
「さよなら」とか君が言うから
もうすぐ君が消滅しそうで
そういうあなたはいつも通りで
ただ愛しいだけで、愛しいだけで
変わったことを嘆くこと無いさ
それはとても自然なことであるし
冷たくなった僕の隣を
もうすぐ消える影が最後まで…
僕は暗夜を恐れたりするんだ
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