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彼を想い・・・あの人の背を追い・・
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作詞 蒼鈴 |
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いつからでしょう
あの人はいつも、私達の前を、とても先の前を歩いていました
皆と話しながら歩いているわけでもなく、
ただただ単調なリズムを刻み歩いていました
いつからでしょう
私は、私達の前を、とても先の前を歩いているあの人を、
追いかけるようになりました
これはただの好奇心でした
皆と話しながら歩くわけでもなく、ぼぉっとしながら歩くのでもなく、
ただただ単調な足取りで、
皆の先頭をきって歩くあの人を追いかけたくなりました
いつからでしょう
いつの間にか あの人と私の間には誰も居なくなりました
あの人が歩いて 私が追う
充分 あの人と私の間には空間があります
それでも その空間には誰も入ってきませんでした
答えは簡単
あの人のリズムは とても小刻みだから
それはとても早いものです
私が小走りで追っても 必ず空間が広がっていくのですから
そして それは 私と 私の後ろの人たちの空間も同じです
それでも 私は誰も入ってこないその空間と 距離が好きでした
それは今も変わりません
離れすぎは 何となく寂しいので そのときは静かに駆け寄ります
あの人が聞いている音を 邪魔したくはありません
・・・・いつからでしょう
あの人が、誰かと話をしているのを見ると、
ふと羨ましいという感情が湧いてきました
あの人が、ではなく、あの人と話している人が
なぜでしょう?
私は、『この感覚』と似たようなものを以前にも経験したことありました
そのとき、私はそれがなんなのかを全く理解していませんでした
友がその意味を教えてくれた時、妙に納得がいったのは、記憶に深く残っています
その意味を知っている今 ・・・私は自分を信じられなくなっています
最初に『この感覚』を感じた彼を、私はまだ好いているのです
もう会う機会がほとんどなくなってしまった今も、
私は確かに まだ彼を好いているのです
それなのに・・・
なぜでしょう?
「想い続ける この言葉に違いはありませんか?」
はい
とあの人に会う前なら 私は即答したでしょう これは疑問の余地がありません
「想い続ける この言葉に違いはありませんか?」
・・・私は・・・・・・いいえ、違いありません
と今の私が答えるまでに 確実に空白ができてしまうのは・・・。
いつからでしょう
私は彼に恋をしました
いつからでしょう
私はあの人の背を追い始めました
いつからでしょう
私はあの人に『あの感覚』を抱き始めました
いつからでしょう
私は はい と即答できなくなりました
いつからでしょう
私はもうすぐ会えなくなるあの人の背を 永年(ずっと)追っていきたいと思いました
いつからでしょう
私は 想いの全てを捨てたくなりました
なぜでしょう?
今が 苦しいから
今が苦しいという私の心に 私の友ならこういうでしょう
〜今が苦しくても 苦しいとか辛いのを経験しただけ 幸せになれるよ〜
それならば
もう少し 苦しい思いをしてみてもやっていける
この狭間で 私はどう動いていこうか
初恋と言っても過言ではない彼に抱いた『感情』
ただの好奇心で追っていたあの人に対して抱いた『感情』
この二つには 何も変わりがないのです
今は
あの人の背を追い続けていれば何かが見えてくる 何だか そんな気がします
あの人についていける速さで 空間が空きすぎた時は AndanteからAllegroへ
彼には 会えるとき会いましょう 会えなくはない 距離なのだから
あの人との距離は 遠いけど
彼との距離は 少し近いのだから
今は
想いを捨てずに 背を追いましょう
結論を出すことを 急ぐ必要は無いのだから
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