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タイムマシン
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作詞 もやしっこ |
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今いらなくなったものを
猶予期間付きのカプセルに詰め込んだ
未来の世界で必要になっていると信じて
僕は僕に託したのだ
未来への注文が書かれた紙切れと共に
「今どうなっていますか?」
この問いの答えなんて興味がなかった
ただ聞きたいこともなかったから
申し訳程度に添えただけだ
本当に知りたいことはもっとあった
ただ上手くいってる自信がない
自分の願いすら叶えられないことくらい
自分が一番分かってたから
「滅多に希望なんて持つもんじゃない」
小さい子供の僕にはそれが魔法の呪文で
唯一自分を保つための術
それでも願うことはあった
少しだけ 叶えてほしいこと
出会う前の僕を隠さないでいれる人と出会ってほしい
喜怒哀楽の端っこまで一緒にいれる仲間がほしい
「ここにいていいんだ」って言える場所があってほしい
ただそれだけのことが
きっと僕を救ってくれるのだと感じていた
土まみれのカプセルの前で
僕は昔を思い出していた
あの頃はこんな人生を送るなんて
微塵も考えたことなかった
異常なまでの悪い予感の的中率
今でも変わらない特技の一つ
それすらも遥かに凌駕する現実
あまりにも遠い普通が
僕にはずっと羨ましかった
昔から何も変わってない
それでも引篭もりがちなチャレンジ精神に
「きっと人生は傷だらけのほうが楽しい」
と言ってやれるくらいにはなっていた
好きだったあの子はもういないよ
友情は脆く崩れていったよ
大切にしていたものは手から零れ落ちていったよ
あの頃の僕にとっての世界の全ては
気づいたころには崩壊していた
その瓦礫まみれの世界で
死なない程度に生きていたら
そこでまた出会えたよ
名前を呼んでくれる 笑ってくれる
「ここにいていいんだ」って言える場所
喜怒哀楽の端っこまで一緒に旅してくれる仲間
出会う前のこと全部知ってほしいと思える人
「今どうなっていますか?」
申し訳程度に入れた紙切れ
誰にも気づかれないように
端に書かれた三つの願いぐらいはちゃんと叶えてるから
さして興味はないだろうけど
悲しみのあとには 楽しいことが待ってるよ
だから安心していいよ
大丈夫
申し訳程度の問いに
希望を添えて笑ってみせた
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