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果物
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作詞 しろかね |
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エデンからかけ離れた世界の
片隅罪の樹の下でいつも
寂しい哀しい愛しいと泣く
僕を優しく慰めてくれた
君と同じ名の果実に 齧りつく
痕から溢れる涙に 噎びつつ
甘い香りが広がって 満たされる気がした
何よりも美味しい 僕だけのくだものだもの
独り占めしたいよ 誰にも分けてはあげない
ずっと食べていたいのに 直ぐ無くなってしまう
真っ赤な果汁で濡れた僕の手
何故かいつまでも乾かないまま
痛い痛いと叫ぶ声がする
振り向いた先エデンの罪の樹
大きく実った過日を 見ない振り
出来はしないね赤く熟れて 自己主張
甘い香りはどこかへ消えて 漂ってくるのは
錆びれた臭い 罪の樹は大きく繁り
僕を隠そうと覆いかぶさる 罪のカジツ
ひとつぽとりと落ちてきて 僕を赤く染めた
楽園より堕とされた 罠の樹に生る果実
気を惹かれ食べた後で気付く その名は罪と
消えること無い許されない罪を 悔いる日々
エデンを離れた僕に 付きまとうは有限
過日の欠片は目印 僕は罰を受ける
いつか訪れる終わりに 脅えて生きることで
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