|
|
|
終電時刻
|
作詞 ザボン |
|
夜も更けた 0時ちょうど
疲れた足を ホームに運ぶ
隅のベンチ 腰を下ろす
屋根から覗く 月が欠けてる
ベンチの上 ひとりきりで
今日の自分を 振り返ったら
仕事をして 飯を食って
また仕事して ホームに着いた
そうして今日を 生きた自分は
昨日の自分さ 毎日変わらないでいる
気づいた途端 空しくなって
間もなく電車の ライトが迫ってきている
乗り込んだら 0時5分
青い光が スーツに染まる
電車の中 ひとりきりで
緑のシート 身体を落とす
足の下で 車輪の音
発車の合図 頭に響く
ガラス窓に 顔が映る
空虚な目だと 初めて思う
そうして明日に 踏み出す僕は
昨日の自分と ほとんど変わらないでいる
気付いた途端 空しくなって
間もなく電車は この街も追い抜いていく
ひとりきりの 僕はなんだ
空虚な目だと 思ってなんだ
向かい側の 座席を見る
少しへこんだ 背中の跡が
向こう側の ドアの下に
コーヒーの缶 古い空き缶
誰もみんな 悩んでるの?
僕だけじゃなく 多くの人が
電車の中 ひとりきりで
それでもここに みんな居たんだ
荷物の欠片 置いてきたんだ
苦労の印 誰かの背中
もたれた重さは ちゃんとここに残っている
疲労の証 空っぽの缶
ため息も詰めた 飲み口の奥の暗がり
気付いた途端 嬉しくなって
間もなく電車は 降りる駅に終着する
そうして明日も 生きていくんだ
昨日と変わらぬ 自分を抱え込みながら
ひとりきりの 僕はずっと
ひとりなんだと 思っていたよ
だけどみんな 悩んでいる
屋根から覗く 月は満月
|
|
|