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作詞 AKIGAS
「最後に二人微笑む事が前世の定めで決まっていたみたいだね」
と君の一声が耳をくすぐる

慌てて耳を塞いでしまった僕

「耳が赤くなってる」と嬉しそうに指を傾けた君の事が好きでした

そんなそんな愛しき場面をこれから二人で作っていくんだと
一枚の写真に焼き付けた

「まるで二人巡り逢う事が前世の定めで決まっていたみたいだね」
と君は貝のように口で沈黙を破る

慌ててKISSで塞いでしまった僕

「頬が赤くなってる」と気付いた君にそっと震える唇を捧げる

そんなそんな愛しき場面をこれから二人で作っていくんだと
瞳の麓の涙腺に焼き付けた

「まるで決して切れない運命の赤い糸で結ばれてるみたいだね」
と君の涙が蝉時雨のように僕の笑顔を叩く

何も塞がなくたって分かる
君と僕の赤ちゃんが宿った事を
多くの人が歓ぶ

陣痛で顔がゆがむ君の手を握り
手を取って摩り続ける

伝わる 
いのちのぬくもり

ah ah ahそして扉が開いたのだ

「おぎゃー」と産声を上げて赤ん坊の人生の扉が開いたのだ
今今今それが業だ


二年前

僕は君でマスターベーションをしていて
君は僕でマスターベーションをしていた
心のオナニーを

それでSEXは成立する
SEXが赤ん坊を作る為の行為である事を忘れるな

SEXが快感を得る為の究極の本能なら
愛の結晶という雪をどうか世界中に降らせてください

人間は雪である
いつしか愛に溶けて死んでいく


耳と鼻があるから眼鏡は地上に落ちずに済む
そう引っ掛ける場所があるから

ここは牢獄。

紐はあるのだが引っ掛ける場所がないんだ
もう死にたいのだが引っ掛ける場所がないんだ

一時間後。

なんと耳と鼻のような紐を引っ掛ける場所が突然見つかった

神様の悪戯だろうか?

すぐに首を吊ろうとして苦しくなった
苦しくて苦しくて

それはまるでこれまでの人生のようだ

記憶に問いかける暇もなく苦痛ですべてが霞んで逝き意識を失った

ah ah ahでも死ななかった

取り戻したくない意識を取り戻し
気付くと紐が契りのように千切れていた

死にたいのに後一歩の処で紐が切れて死ねなかった

こんな時にこそ

「決して切れない運命の赤い糸」

それを私は必要としたのだ
 
B級C食の飯に珍しく堅い堅い牛の肉片が出てきた
噛んでも噛んでも噛み切れなかった

この強靱過ぎる牛の肉で死ねないだろうか?
牛の肉で首を吊れないだろうか?
そこまでの袋小路に追い詰められていた

絶対に無理だろうと半ば諦めかけて牛の肉を辛うじて飲み込んだ

そしたら喉に詰まった 

苦しい 苦しい 苦しい

のたうちまわって限界的臨界点まで苦しくなった
その時たった一秒間だけ今以上に強く

「生きたい」

と願った

でも駄目だった
どんどんどんどん息が詰まってしまい
終いに意識を完全に失った

ah ah ahそして扉が閉まったのだ

「おあぁー」と奇声を上げて御爺さんの人生の扉が閉まったのだ
今今今それが業だ

たった一秒間だけ今以上に強く生きたいと願ったのに
虚しく息絶えてしまった

永遠の睡眠に堕ちていく
宇宙「母」という
砂時計のさらさらな砂の揺りかごに
吸い込まれてゆくように

たった一秒間だけ今以上に強く生きたいと願ったその理由は

一枚の写真がその瞬間だけは
瞳の麓の涙腺に焼き付いたから。

御爺さんの子供の子供
最後に二人微笑む事が前世の定めで決まっていたみたいな
孫とその婚約者の写真が・・・

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歌詞タイトル
公開日 2016/10/31
ジャンル 演歌
カテゴリ その他
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