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三日月クロワッサン
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作詞 豆炭 |
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透き通った夜空
浮かぶふんわり三日月
『クロワッサンが食べたい』と
そう君が呟いた。
そろそろ風が、
冷たくなる季節だね。
君と出会ったのも、
こんな寒い日だったっけ。
美味しい物が大好き。
でも不器用な君に
笑顔で居て欲しいと
僕は料理を始めた。
何でも大抵は、
作れる僕だけれど。
パンは初めてだな。
上手くいくといいな。
三日月クロワッサン
一口でもかじったら、
うさぎ達がこぼれて
行き場を無くしてしまう。
透き通った夜空
浮かぶふんわり三日月
君が食べちゃう前に
僕が作ってあげる。
卵にバター、
振るっておいた小麦粉。
畳んでは延ばす、
レシピ本とにらめっこ。
特別のサプライズ。
内緒で驚かせよう。
帰って来た君の
びっくり顔が見たい。
何でも大抵は、
作れる僕だけれど。
パンは難しいね。
膨らまずに焦げた。
三日月クロワッサン
僕の作ったこれじゃ
うさぎ達が怒って
文句を言うだろう。
透き通った夜空
浮かぶふんわり三日月
君にあげられないね
焦げた三日月モドキ。
夜中にコポコポ、お茶を煎れる匂い。
ベランダ夜空を見上げる君の顔。
手元にはかじられた僕の三日月モドキ。
『悪くないよ?』と君がはにかんだ。
三日月クロワッサン
食べないで見ていよう
うさぎ達がこぼれて
落ちて来ないように。
透き通った瞳
映るふんわり三日月
僕が一番好きな
小さなクロワッサン。
今度は上手く作るよ。
三日月クロワッサン
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