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落葉樹
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作詞 サブマリン |
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忘れていた 空色の背景に微かに浮かぶ
あの気球に憧れていた そんな記憶も
器用に潜り抜けてきた 繊細な筆致からは
確かにあったはずの 衝動も哀しさも見当たらない
君は今 何処にいる?
もし会えたなら聞いてみたい
変わり果てた街で すっかり大人びた君と僕とで
引っ掻き回すように ただ思いの丈を示す為に
燥いでいた季節の後 哀しみさえもない世界で愛を謳う
犠牲にしたすべて 胸に押し寄せてきて
またしても過去に縋りたくなる
こんな夜は ただ落葉樹になりたい
すべてを落として 土に還れたら
捨ててきた 琥珀に閉じ込められた過去は
時が経ち 掘り出された時には 綺麗な輝きを放つのだろう
磨かれて 擦れ減った心
無くなってしまう前に 手を伸ばして
変わり果てた夢を すっかり年老いた僕と僕とで
出ないままに打たれた杭が 怯えた心に大穴を作った
迷っていた時代の痛み 自分の元へと取り戻して 明日へ祈る
敷き詰められたすべて 風に吹かれてゆく
またしても戻れない時を思う
こんな夜は ただ落葉樹の下で
何処にも届かない そんな言葉を呟いて
街灯が北風に揺れた枝葉の影を映す
そこに立つ一つの影も 何処か心許なく揺れている
確かにあったはずの 君も僕も見当たらない
変わり果てた街 すっかり大人びた僕はそれでも歩き出す
引っ掻き回すように ただ思いの丈を示す為に
燥いでいた季節の後 救いようもない世界で今を唄う
犠牲にしたすべて 胸に押し寄せてきて
またしても過去に縋りたくなる 君を探したくなる
こんな夜は ただ落葉樹になりたい
すべてを落として 土に還り やり直す
潔く生きる そんな落葉樹になりたい
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