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禽者の被写体
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作詞 哭 |
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涼しげな時期
木陰が包むこの頃で
いつ日かのアナタを想い出す
あの馨しの瞬刻
忘れぬ章の端くれ
あの日を残像に写し瞼
夕日に溺れる身体が痛い
鈴蘭の花が好きでした
鈴の音が聞こえるような理想を想像(えがく)
脳裏の自由を許してください
弱った禽鳥、アナタのよう
いつからかの幻を何度も繰り返す
今のアナタが幻の幻覚であってほしい
儚く揺さ振る鈴の音は
優しくはない 音も無き現実
涼しい頃でした
車椅子のアナタは私を見つめ
ただそれだけのアナタ初夏の麗し
またねと願ったあの頃は戻らない
被写体になったアナタは今も私の中にいて
今日も私はアナタの燈篭を見上げるよ
早く帰って花畑を見よう
早く帰って私の話を聞いてほしい
交わした言葉が日に過ぎていくよ
涙の滴繰り返される時期の終わり
初夏の最後
蝉は啼かなくなったんだ
彼岸花が赤々と咲く頃に・・
もう戻らない現実
私は鈴蘭を抱えて今も生きてます。
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