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寄り道
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作詞 polca cat. |
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家まで3キロ 歩いて50分
ここは緑しかない
山は木々で埋め尽くされ、
信号は1つ お店も1つ
家はポツポツしかない
となり歩く友達はいつもうわさ話をしている
声は遠くまで届いて
坂の下のスピーカーからチャイムが鳴り始める
夕暮れが背中を真っ赤に染める
春はこの坂が辛かったね
夏はもらったトウモロコシをかじり
秋は森で木苺さがし
冬には白い息で流行りのうたを歌う
帰り道にはいつも季節があった
いつも一緒だった大好きな友達
好きだった はにかみやのあの人
ばか騒ぎする弟
怒ると怖いお兄ちゃん
賑やかな食卓
汗水流して 世話したお米
炊飯器からの湯気は甘くて
丼いっぱいに食べていた
村を離れて街に出て
東京にもいったし
外国にも行ったよ
緑は街路樹しかないし
木の実なんて見つからない
季節はわからないし
人はみんな早足で
食べるお米は美味しくない
ここはどこなんだろう
時々戸惑ってしまう
わたしの居場所はここじゃない
だって 夏はこんなに蒸し暑くない
川の水はもっと冷たいし
入道雲は怪物みたいだし
カエルはうるさい
夕焼けは燃えるようだし
トンボや虫が飛んで鬱陶しくて
わたしの知ってる夏は
こんなんじゃない
空気の澄んだあの夏
帰りたいけどまだ帰れないよ
でも きっと きっと きっと
いつまでもいつまでも
あの村が わたしの場所だ
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