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四季和柄
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作詞 ●殻虚● |
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地蔵が並ぶ 扇子を仰ぐ 落日に照らされた 椿
折り紙の鶴 蝉時雨 風に煽られた 風鈴の 音
赤く染められた 景色 子供の笑い声
涙するほど 悲しいのかな 祭りの跡
落葉が踊る 寒風が吹く 暖色に包まれた 紅葉
透明な空 哀愁 読みかけで置いた 小説の 栞
深く染められた 景色 子供の後姿
何気なくただ 寂しいのかな 冷たげな川
囲炉裏に集う 日の出を待つ 夜露に濡らされた 百合
真っ白な息 雪達磨 皮膚に突き刺さる 暗闇の 雪
白く染められた 景色 子供の足の跡
笑ってしまうほど 美しいのかな 金色の雪
蝶が舞う 頬撫ぜる風 鮮やかに咲き誇る 櫻
菜の花の冠 春一番 唄に合わせるよう 揺れている 羽
淡く染められた 景色 子供の眠る顔
吸い込まれてしまうほど 暖かいかな 花びらの雨
「また 来年も会いましょう」
そう言って 笑った
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