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スーツ
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作詞 春月 |
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幼心にもそれは素敵に映った
まるで大人の証明みたい
だからっていうわけでもないけど
私に恋を教えてくれた人も
スーツの似合う人だった
大きな背中をいつも追いかけてた
追いつけなくって 手を伸ばして
それでも少しでも触れたくて
すれ違う時にふわっと漂ってた
タバコの匂いに酔っていた
子猫のように甘えさせて
Yシャツの襟と
ネクタイの結び目と
後ろの切れ目が風になびく感じと
胸のポケットと
そこに挿したボールペンと
足元の裾が踝にかかる感じと
貴方の零れそうな笑顔に恋してた
大人になってもそれは素敵に映った
ずっと子供でいさせてくれる
だからっていうわけかもだけれど
私に愛を教えてくれた人も
スーツの似合う人だった
深い懐に顔をうずめてた
抱きしめられて 貴方感じて
恥じらいながらキスをせがんで
心地良い窮屈な腕の中で
コーヒーの匂いに酔っていた
髪を撫でて眠らせて
「おはよう」の時の
ネクタイを絞める仕種
「お疲れ」の時の緩める仕種とか
内ポケットから
ふいに取り出す名刺と
心にもない社交辞令に添えられた
貴方の零れそうな笑顔を愛してる
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