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「ま」+「た」+「ね」
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作詞 KIMINOUTA |
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一年ほど前、電話が鳴った日
いつもと変わらない着信音
悲しいお知らせだよ
悲しいお知らせだよ
君はぼそぼそっと喋った
聞こえないよ、と言い返したら
涙を堪える音を立てて
電話が切れた
それから何週間か後
君の家族から訊いた
精神病になったんだってね
ううん、全然拒絶なんかしないよ
全然平気なんだよ
それなのに
何で電話に出てくれないんだ
色々なものが恐くなったんだろ
暗所恐怖症
閉所恐怖症
高所恐怖症
人が恐くなったんだろ
声も聞きたくないって
誰の顔も見れないって
動くものが皆恐いんだろ
笑えなくなった君が
こんな事言ったね
大丈夫だよ
って
以前、何もない土手で
皆集まってはしゃいで遊んだね
親に怒られるの承知で
深夜に星を眺めに行ったね
全部全部みんな解ってるよ
だから早くこっちにおいで
けど
君は
もう近づくなと
泣いたね
途切れた連絡
薄汚れたまま一年が過ぎた
僕も随分汚れたものだけど
何とか生きてる
精神不安定な僕だけど
何とか息してる
死にたいとか沢山想ったけど
そんなの駄目だよねって
言い聞かせたりするんだ
1月11日
遅れて届いた年賀状
送り主には、君の名
驚いて手が震えた
また遊ぼうね
これからもずっと友達でいようね
君はまだ戦ってたんだね
閉ざされた深い闇の中で
救いを求めてたんだね
その手から逃げてしまった自分が憎い
その傷を知らない振りして生きてきた自分が
許せなくて
涙が出そうになった
もし・・・もし
あっ、久しぶりだね
遅れちゃってごめんね
頑張るね
君は弱々しい声で言った
また遊ぼうねと
星でも見に行こうかと
約束だよって
みんなで
触る事を拒絶してた
傷付けるんじゃないかと怖がってた
けどこれからは君の側で
見えない場所で
背中を押してあげるからね
君にまた拒絶されようとも
そうさ枯れた木の枝の様に
君を支えているからね
じゃあ
またね、って
その言葉の繋がりの間
君は少し間をあけていた
一つずつ必死になって繋げようとしている姿
生き続けてく限り
人はまた笑えるから
君の笑顔が見たいな
「ま」+「た」+「ね」
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