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生体価格三万円
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作詞 月水 暦 |
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ぼくは犬 デパート内のペットショップに住んでる
ライトの光で 今日も新しい一日が始まる
ぼくは犬 この前ここで一番年上になった
ガラスケースじゃ狭すぎるから 「ふれ合い」専門だね
人に見られるのも ずいぶん慣れたもんだなあ
どうせ見てるだけなんでしょ? 「カワイイ」とか言っちゃってさ…
白い奴 茶色い奴 黒い奴 マーブルの奴
端っこの新入りは もう「家族が決まりました!」
誰かに抱かれながら 大人になりたいな
そんなこと言っても通じないから せめて尻尾振ってみよう
ぼくは犬 生体価格は三万円 笑えない
最初は9万 次に8万 あとはもう忘れた
ぼくは犬 この店のことなら一番知ってる
だけど 売れ残りの行方は 何だか知りたくない
ちょっと前までは ぼくが犬種No.1だったのに
いつの間にか下がってる? 嘘でしょ ブームは重要なのに…
短毛の奴 長毛の奴 巻き毛の奴 ストレートの奴
つぶらな目じゃ釣れないから 寝顔で落としにいこう
お金になる命なんて ぼくには向いてないから
不貞腐れて 愛想なくして 自分の尻尾噛んでみる
大きくなったら可愛くないから あぁ
項垂れて ヤル気なくなって 一日が終わる
日本スピッツ トイプードル マルチーズ ロングコートチワワ
そんな 落ち着きのない仔犬たちは 放っておいて
何か見えません? あなたの足元に そう!
今ならお安くなってますよ ぼく 生体価格三万円
家電より安いし お買い得ですよ
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