|
|
|
余命一週間
|
作詞 心菜 |
|
たとえば 僕の生きられる時間が
残り一週間になったとしたら
僕は何をするんだろう
まず一日目は
この現実が信じられなくて 泣いてばっかりで
顔はもうぐしゃぐしゃだと思う
そんな姿は誰にも見られたくないから
一日目は 誰とも会わないかも
会ったとしても 僕を知らない看護婦さんだけにする
二日目は
泣きつかれて寝たおかげで 少しはましになった顔を
鏡で見て 自分自身を勇気付けてみるかな
「泣いてばっかりじゃ何も変わらない」とか
柄にもない ことばを言ってみたりして
この日は少し 泣くだけにする
三日目は
お婆ちゃんとかも入れた家族と 会いたいな
大分よくはなったけど まだ汚い顔で
必死に笑いながら ね
最期まで大切な家族を
不安にさせたくはないから
この日からは絶対に泣かないようにしよう
そんでもって
友達には知られたくないから
秘密にしといてもらうように頼んでおこう
四日目は
お母さんがきっと 泣きはらした顔でお見舞いにくる
でも僕はそれに気付いてないふりをして
ひたすら笑うだろう
その後
紙とペンを持ってきてもらおう
お気に入りのあの紙を200枚くらい
持ってくるように 頼んでみよう
五日目は
持ってきてくれた200枚の紙を受け取って
ひたすら文字を 書くだろう
これが何かは まだ誰にも秘密
こっそり 一人きりで書こう
六日目は
大好きな君に 会いに行くだろう
もちろん君も 僕が明日死ぬことは知らない
それでいいんだ 君はまだ何も知らなくていい
生きているうちに 君の悲しむ顔は見たくないから
まずは学校に行って 自分の教室に入る
その時間はちょうど授業中で
途中から来た僕に みんな驚きながら
いつものように 休んでいた僕をからかうだろう
そんな空間が心地よくて 涙がでそうになっても
ひたすら笑って 席について授業を受けるだろう
下校時間になって みんなが帰っていく
「ばいばい」みんなはそう言うけど
僕は「またね」と返す
だってこれが 最後じゃないと信じたいから
その後 教室に君と僕の二人だけになって
いつもは奥手な僕だけど 今日だけは
甘いキスをして 手をつなぐよ
隣でびっくりして でも嬉しそうな君の
顔も 笑顔も全て 僕の全てに焼き付けるよ
「またね」そういう僕に
君も「またね」と返す
それが嬉しくて 僕は笑顔で背をむける
君が見えなくなったとき 僕は静かに一人で
涙を流してしまうだろうけど ね
そして 七日目
僕の周りにいる家族が みんな泣いてる
嫌味ばかり言ってた弟も
泣き顔なんか見せない父も
顔がぐちゃぐしゃになりながら泣く母も
みんな 愛しいよ
あ。忘れるところだった
「これをみんなに」
そう言って僕は 紙を渡す
そう それは 僕からみんなへの 最後の「手紙」
そして僕は
泣いているみんなに囲まれながら 目を瞑る
すると暗闇の中に 君が現れた
でも 笑顔が見たいのに 泣いてる君
泣かないで
笑顔がみたいんだ 君の笑顔がみたいんだ
お願いだから 泣かないで
・・・でも
僕が死んだら 君は僕を想って
毎日一人で泣き続けるのかな?
止めて そんなのちっとも嬉しくないよ
閉じられた僕の目から 冷たいモノがあふれてくる
・・・やっぱり 嫌だ
そんな君を残して
僕はまだ死ねない 死にたくない
もっと 生きたい・・・
|
|
|