|
|
|
菊薊の偽小雪
|
作詞 チロリアン |
|
外に出てみては
桔梗(ききょう)がすじる軽い空
乾ききった掌で
僅かに今を感じる
仄々(ほのぼの)とした朝光
輪郭のない散光
今日も漏れるちいさな溜息
白く広がる大きなこころね
秋の流れを
流離う歯止めを
意識の中で受け止めながら
惨めな自我と共に
風とまどろむ
小柄に咲く菊薊
寛ぎのつづれさせ
ちらつく電灯 夜風の声
澄み切ったこころみで
ひそかに貴方を感じる
僕は薄萌黄の恋心
枯れ舞う独りのクリスマスツリー
一瞬の短い未練の空間で
暗夜に繕う 濃厚な紅(くれない)
秋の彩りを
不浄の風向きを
落ち着かなく定まらずに
泳げない魚のように
恋が惑わす
やわらかい色素肌
考えられずにはいられない
舞い落ちる一念の重み
冬も一緒にねって
ひと言に篭めたんだ
そんな僕の告白も
遠く 淡く 儚く 舞って
冬になって
ah...
秋の流れを
流離う歯止めを
意識の中で受け止めながら
惨めな自我と共に
風とまどろむ
小柄に咲く菊薊に
僕の涙
秋の囁きを
菊花のしずくを
彼女のこころに伝わるように
この呆れる脱け殻を
凍りきる前に
無情にしぼっているよ
|
|
|