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作詞 きなこ餅 |
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路地裏の皹に己れの夢は在ったのか。
浅い淡いグレイに、苔生した涙を。
「嗚呼、此れが懐かしさと云う奴か?」
流れは他人に無関心でなきゃならない。
散らばるのは御免だと 解るさ。
寂寥を甘味料にしよう、そうしよう。
己れの為の今日は、そんなんで善いんだと。
笑えないなあ 本当に笑えないなあ…なあ?
揺れ揺れと影が先を行けば、ついて往く。
新世界は排水溝の下に潜み
己れは問う、「詰りは漠然とした侭さ。」
「灼けないな。」空だけ浮き上がる様に表示中
廃れることを喜びと云うのか。
酌量の余地を誰かに遣る 呉れて遣る。
己れの為の今日は、存在なものだから。
五月病なら、何時までも治らないだけだよ。
徒或る詩篇に涙が滲んでいたとして、
其れに同じくして重ねる。今日はそんな日だ。
微笑う若葉がやがて失うものたちを、
瞳に閉じ込めて目を瞑る。今日はそんな日だ。
「焦げたのか。」星絶え蔓延る黒を掬ってみる。
何光年は掌で踊るのさ。
玄関の光が己れを照らし、「あ。」と零す。
深い深い家炉に、疲労した躯を。
「あら、遅かったじゃない。」と戸が開く。
今日はこんな日だ。
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