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月下
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作詞 霙 |
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薄闇の中 わたしの聲は途切れる
轍に埋もれた花弁が朽ちるのを
眺めては あなたを想う
還るべき場所の鍵は 疾うに錆付いた
届かぬ旋律をなぞる指を憎む
叶うなら あの宙まで
わたしをどうか 誘って
掻き鳴らす弦は 誰の為
想いを馳せればまた 時は流れ
呑むことも砕くことも出来ぬ
この痼に あなたが触れるまで
暁の頃 わたしの耳を塞いで
柔い水面に浮かぶ葉を
沈めては 密やかに息づく
踏み外した者の行末を 知る者など
届けばいいと聲を紡いで
誓えるなら 永遠さえ
歌を擬えるこの喉は
漣の音に 掻き消える
探す指先は もう見つからぬ
流すことも燃やすことも出来ぬ
この痼に あなたが触れるまで
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