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人間失格
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作詞 と或る |
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一雨来そうな夏の夜(よ) 構わず道路を進んだ
ポケットに手を突っ込めば 鍵の鈴の音(ね)が鳴る
最初で最後の嘘を繰り返し なけなしの幸せ対価に
背負う羽目になった十字架
蘇る青嵐
花よ、鳥よ、風よ、月の光よ
愛しいひとの声よ
なにも必要なかった あなたさえいれば
もはや遅すぎるけど
掛け違えたボタン 千切れたままで
不恰好な身で歩くだけ
賑やかになり始めた夜 重さを纏う服や靴
傘に守られ駅へ向かう 寄り添う影を見てた
誇大な看板、ネオンが輝いて まるでぼくを責め立てるようで
突然現れる過去の少年
踊るな、笑うな
笑うなよ
さらばありふれた日よ
ようこそ絵に描いたような暗闇よ
硝子に映ったのは 今やグロテスクな
かつての道化師
人波逆らい 行き着く先は
灰が降りしきる、燃える海
紙の折り目のように消えない
心の傷が疼いている
時まかせても 癒えやしない
理想的な死を迎えるまで
花よ、鳥よ、風よ、月の光よ
愛しいひとの声よ
ぼくは何処へ行けばいい 何処で生きればいい
とてもじゃないけれど
寒くて歩けない 強い力で
無様なこの身を抱きしめて
頼りにならない痛みを連れて
生きて
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