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おもちゃのうた
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作詞 小雨ねむ |
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こどものままの君は
遊んでくれているんだ僕らで
それがおもちゃの何よりの幸せのようだ
ただそれを知るための
心なんてもっていないから
冷たい暗闇の中にいるように空っぽで
それでも何年も一緒にいるから
ネジを巻いてくれるから
僕は動いて笑顔にさせたいんだ
でもずっと遊び続けてほしいと
伝える手段なんてありはしないの
そもそもそう思うだけの気持ちさえないの
僕はおもちゃだから
ネジを巻かれて動いているだけ
僕はおもちゃだから
感情なんてものもないんだよ
僕はおもちゃだから
君のぬくもりも感じられなくて
ただネジが止まるまで歩いていくの
大人になった君は
いらなくなったみたいだ僕らが
それがおもちゃの終わりの時間みたいだ
少しずつ捨てられて
いなくなっていってしまうから
思い出の詰まったおもちゃ箱は空っぽで
あの時僕と一緒に買ってくれた
はじめてのおもちゃさえも
君は卒業したと捨てゆくんだ
でもずっと仲間がいなくなるのを
止める手段なんてもっていないの
そもそも悲しいという気持ちさえないの
僕はおもちゃだから
ネジを巻かれなきゃ止まっているだけ
僕はおもちゃだから
さみしいなんて思わないんだよ
僕はおもちゃだから
君の体温もわかりやしなくて
君のそばにいたいと願うこともできないの
どうせ壊れゆく命だって
捨てられる運命だって
最初から全部わかってた
それでも感情なんてないのに
涙なんて出やしないのに
胴体にある「これ」はなんなの
僕はおもちゃだから
ネジを巻かれて動いていくだけ
僕はおもちゃだから
涙なんてものもないんだよ
僕はおもちゃだから
誰のぬくもりも感じられなくて
それを悲しみと知ることさえありはしないの
ネジが止まって
体が錆びて
動かなくなって
一筋の水が
ほほをつたった
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