|
|
|
鏡
|
作詞 散桜 |
|
あと少し。ほら、手を伸ばせば届きそう。
もう一人の仮面被ってる私。
ひび割れたガラスの向こうには、
もう一人の別の私がいる。
同じようで、違うモノ。
ねぇ、ねぇ。教えてよ。
貴女は誰?
そこで静かに泣いていないで
出てきて理由を教えてよ。
本当は多分、わかってる。
もう一人の自分。
過去を消して、記憶を消して。
もうお願い、思い出させないで。
私は私でしかないんだから。
もう少し。ほら、顔を覗かせるだけで。
もう一人の生き写しの自分。
輝きを放つガラス越しには、
もう一人の違う自分がいた。
違うようで同じモノ。
ねぇ、ねぇ。見せてよ。
貴女は誰?
そこで静かに笑ってないで、
出てきて姿を見してよ。
本当はきっとわかってる。
他人な自分。
他人を殺して、過去を殺して。
思い出させないで。
私は誰でもないんだから。
鏡の奥の私は
自分じゃないみたい。
誰なのかわからない。
カケラが胸につき刺さって
痛い、痛すぎるよ。
誰か私を私に戻して。
本当は多分、わかってる。
自分と自分。
何もかも消して、何もかも殺して。
思い出させないで。
私は私だけ。
誰でもない。
鏡越しの私は、
私じゃなくて、
私じゃなくて、私なの。
|
|
|