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舟
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作詞 山岸 梓 |
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心地よい吐き気に揺られて
今度は誰と踊ろうか
世界の全てだったあの子はもういないから
今は舟に一人きり
オールを棄てた古いカヌーは
流れる水と風に任せた
僕の行き先はどちらだったか分からないから
眠ることもない
魚が船体をつつくから
ぐらぐらと景色が揺れてしまう
おやめなさい、
釣り上げて食べてしまうよ。
どうやら今日は漁師飯か
心地よい吐き気に揺られて
今度は誰と踊ろうか
世界の全てだったあの子はもういないから
今は舟に一人きり
いっそ括れた足首まで
はてない水中へと捨ててしまうか
陸地に上がらないのなら
それは進化と言うのだろうか
切り捨てろ
舟はまだ、一人きりで泳ぐ
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