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この空の下
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作詞 ほつま |
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恙無い有明に 紅涙を一つ
据えられた影膳が 立つ瀬無く揺れた
これ程の旭でも 面影は彼方
底冷えの畳には 面映ゆい二人
貴方が至道と言った 私を包んだ両手
幾つの光を奪い 深紅に染めたのだろう?
この空の下
私と同じ陽を 浴びていることさえ
確かめようもなくて──
明けない夜もある それでも希う
耳新しい、報せを。
微睡みも無い夜明け 秋霜の果てに
厚くなる血糊とは 相容れぬままで
貴女が斯道と言った 私の変わらぬ心
どこまで誠貫き 真人(まうと)でいられるだろう?
この空の下
戦う姿まで 見られているのなら
背を向けずに奮おう──
止まない雨もある それでも希う
そう、新しい晴れ間を。
この空の下
待つのは慣れたから 鏡には莞爾を
新しい陰膳を──
この空の下
いつかは産声を 上げる子の為にも
新しい一太刀を──
紡ぎ合い、二人は辿り着く。
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