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蝶々
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作詞 凱亞 |
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夜の街のネオンがその黒い羽根を照らす
星も見えなくなった汚れきった空で
嫌われ邪魔がられてもしぶとく
少しの寿命(じかん)で何か伝えようとして
その空を飛ぶ
右を向けば仕事も金もないろくでもないサラリーマン
左を向けばかまって欲しくて悪ぶれて落ちぶれた学生
見た目だけ着飾って自分自身は
何の魅力もないことに気づかないままで
どこでも誰でも気に入られようと必死で
周りを蹴落としよく見たら一人になってた
嘘で塗り固めた道の上を歩いて
振り向いた所にも自分は居ない
夜の街のネオンがその黒い羽根を照らす
心まで冷え切った悲しい街で
嫌でも厳しくて辛いこの
つまらない人生(とき)を必死になって生きて
その空に飛ぶ
上を見れば何もできず無念の死を遂げた人達
下を見れば自分を追い越してったあいつらの足跡
いつの間にかついていた足枷が
いつまでも自分を捕まえたままで
あの子にあいつに言いたい言葉があって
でもそれは形を成さずに宙を舞っている
語彙が足りずに欠片となった文字が
何千何億もの意味を持った
たった六畳の部屋が自分の場所だと
勝手に思い込んで縮こまり
失ったものの大きさに気がついて
力のない自分をもっと嫌いになった
知らないことは怖いけど
全部きっとそう
大体きっとそう
夜の街のネオンがその黒い羽根を照らす
信じられるものの方が少なくって
疲れて重くなったこの
錆びた自分(からだ)をひきずって
その空で飛ぶ
その空を飛べ
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