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コレカラの涙線
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作詞 紗散 画宮 |
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キミが帰らなかった あの日に 私は少しだけ泣きました
少しだけ泣いた帰り道に 私は子犬を拾いました
久しぶりに届いた手紙 文面だけを追ってみると
どうやらキミは元気そう ちょっとホッとした
「エラい学者になる」なんて 町を飛び出してって もう2年
頭は無駄に良かったから 心配してないけど
「午後の電車で帰るからね」
最後の一文に胸が高鳴った
手袋着けることさえもどかしくて
家を飛び出したの
もう一度 聞きたかった「愛してる」を
期待した私が悪かったの?
待ち続けて 疲れて 泣いた夜に
舞って落ちた雪
そうやって泣いた帰り道に 私は子犬を拾いました
悴んだ手を温め合って そしたらその子は笑いました
再び音信不通となり 年ばかり何度か回って
野を駆けるあの子も すくすく育ってるけど
なんか釈然としないなぁ 分からないことが多すぎて
そもそも嘘をつく人じゃ無かったのに
帰ってきたあの子は舌を出し
吠えるでもなく私を見つめたの
ああ あんな大バカよりも愛らしくて
ちょっと切ないや
もう一度 聞きたかった「愛してる」を
書き損じている手紙 まだあるんだよ
なんだかんだ言うけど まだ待ってるんだ
キミの帰りを
時が過ぎて 子犬は育って 少し高い声で鳴き始めて
小さな変化に私は「頑張れ」って言った
身を震わして 顔を伏せて 瞳を閉じて また開いて
確かな言葉で キミは「ゴメンネ」って言った
キミが研究していたものも キミがそれを伏せていた理由-ワケ-も
手紙の字が少し違っていたことさえも
あの日に理解していたなら この日に理解できなければ
再会は幸せになっていたの?
ずっと待ち望んでいた「アイシテル」は
偽ることなく キミの言葉でした
私は詰まる喉で「バカ」としか言えないのに
ごめんね
小さな体 抱き締めて
これからなんて何も分からなくて
ただ 枯れた涙で線を引きました
これから
新しい思い出を作ろうね やっとスタートに立てたんだよね
待たせていたのは私だった 「ごめんね」「ゴメンネ」
キミが帰らなかった あの日も 私は少しだけ泣きました
少しだけ泣いた帰り道に 私は子犬を拾いました
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