|
|
|
返り歌
|
作詞 鞄 |
|
「だからおまえはだめなのさ。」誰かがぶつぶつ異口同音
「いわれなくてもわかってる。」怒りが沸々、独り反論
赤い表白その裏で、青い累積溜まります
僕のはさみで僕の名前をさ、そのリストから切り落とせたらどんなに楽になれるかな
「なにをやってもだめなのさ。」自我が心に罵詈雑言
「いわれなくてもわかってる…」絶望が沸々、漸次無言
青い累積その裏で、黒い影自ずと蠢きます。
僕のはさみで僕の名前をさ、そのリストから切り落とせたらどんなに楽になれるかな
絶望を歩むその刹那、どこかで流れる帰り歌
「俺の涙で君が握るはさみ、錆付かせるから手を止めな
君の可能性という世界を変える力、落としたその道中で一緒に探してあげるから」
血が滲むほど握り締めた僕の手が、漫ろに開かれる
でも僕の落した可能性が見つからなかったらどうしよう
「君が帰り歌口ずさめば、君の懐にほら」
「僕の涙で君が握るはさみ、錆付かせるから手を止めな」
はさみ握るだれかに僕が涙流すこと、それが可能性なんでしょ?それが落し物なんでしょ?
ポケットの中で何か握り締めた。傷と僕の口が、大声で高歌放吟
地に刺さる錆吹いた刃先にだれかの涙が、縷々流々(ルルルル)…
|
|
|