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香りなき雨
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| 作詞 芳賀康平 |
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夕闇近づく雨の町 その日も僕は君を待ち
足音するたび振り返り ため息ばかり繰り返し
優しいあなたに感謝し 二人で撮ったあの写真
ポッケでぎゅっと握りしめ 傘も差さずに立ちつくす
冷たい水でも嫌いじゃない あなたの右手思い出すから
抜け殻になった僕を残して それでも一人君はいく
明日会ったら今度は言おう そんな明日はもう来ない
叫びだしたい気持ち殺して 黙って僕は手を振った
言いたかったこと 言えなかったこと 二つはきっと同じ数
夕立過ぎた鈍い雲 遠のくことは寂しくも
ようやく僕は歩き出す 現実からの脱出(エクソダス)
ふとしたときに漂った 君の香りにただ酔った
滴が顔を湿らせる 雨はとっくに止んだのに
白んだ空も儚くはない あなたの肌によく似てるから
道標(コンパス)だった君と離れて それでも進む僕は誰？
昨日の君を思い出す今日 そんな昨日も遠い過去
咽び泣きたい気持ち押さえて 笑っていれば優等生
苦しくないよ 悲しくないよ 引きつる顔でそう言った
君の机がもう少しだけ僕の机に近かったなら
あの日の放課後もう少しだけチャイム鳴るのが遅かったなら
そんな言い訳 誰にしよう？
空っぽになった僕を見つめて 最後に君は微笑んだ
「いつか会ったら、またよろしくね」 嘘ついたのは僕だけじゃない
溢れ出る言葉飲み込むな 叫びたい自分を騙すな
言えなかったこと 言わなかったこと 今なら言える何度でも
愛しているよ 愛しているよ 喉が嗄れてもただ君を
明日会えなくても同じ空 見上げて一人手を合わす
重たい闇でも怖くない あなたが待ってくれているから
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