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〜森ノ女王サマ〜
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作詞 美卯 |
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私は森の女王様
今日も森の中で只管と女王として君臨している
そんなある日 貴方は森へと足を踏み入れてきて
私の元へとやって来た
美しい宝石のような綺麗な微笑を私に向けていた
私の心は そこで貴方に囚われてしまった
ほんの一時の時間の中で徐々に奪われていく心
甘い夢の始まりは貴方が見させた
貴方はやがて森から去っていた・・・
「出来ればもう一度貴方に会いたい」
あの宝石のような綺麗な微笑を浮かべて私にそう告げた
貴方のたった一言が私の世界を簡単にひっくり返してしまった
今迄感じた事のない感情が胸の奥から
ゆっくりと湧き上がってくる
・・・・森から出たい
貴方が暮らしている外の世界を見てみたい
貴方にもう一度逢いたい
森の女王から唯の一人の女として貴方と生きていきたい
木々に、土に、花に静かに別れを告げる
私を包んでいた世界からそっと抜け出す
日の当たる世界は私には凄く眩しく感じた
私は ひたすら貴方を捜した
何日も何日もこの世界の何処かにいる貴方を必死で探し続けた
そして やっとやっと貴方を見つけ出した
・・・だけど 私の夢はそこで一気に覚めてしまった・・・
―見つけた貴方は他の女と戯れていた
私を抱いて欲しかった腕も
触れて欲しかった唇も
見つめてほしかった瞳も
今では他の女にしている行為の全て
…傑作ね 何て滑稽なのかしら
今更気付いてしまった
森の女王にはなれても現実の女王になれるとは限らなかった
それなのに貴方と共に生きる事を夢見てしまった
甘い夢の続きは一瞬で終わらせた
鏡に映る私の姿は貴方の瞳にもう映る事もないくらい
薄汚れていて女王の面影はそこになかった
「森から出るべきではなかった…」
誰に聴こえる事もない言葉をただ一人地に告げ走り去る
…森へ還ろう 私を包んでいた世界へと再び。
誰もが受け入れない私を森だけは受け入れてくれるのだから
やはり 森から出るべきではなかった…
森から出なければ知らずにすんだ痛みを知る事はなかった
引きずる想いも知らずにすんだのに…
夢の中でいつまでも甘い夢を繰り返し繰り返し見続けていたら良かった
さよなら 私の王子様
嘘のような甘い夢の続きは再び見る事はなかった
森の中だけ私は女王様
気高く美しい女王様
それだけは私を裏切らない
―森の女王様―
それは森に囚われた哀しい女の物語
それはそれは 何て滑稽な御伽話
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